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カテゴリ: 労務相談FAQ :
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■人事労務検定 2級レベル Q 体調がすぐれないということで午後から出社した社員がいたので、午前中は、年次有給休暇で処理するからと伝えました。ところが、その後、この社員が「無理やり年次有給休暇で処理された。」と同僚に言っているということが耳に入ってきました。こちらとしては、本人のためと思って、給与の減額をせずに済む年次有給休暇で処理にしたのですが、何か問題があったのでしょうか。 A 年次有給休暇は労働者の権利ですので、本人から取得請求がないのに年次有給休暇を会社が勝手に使うことは認められません。今回のケースでは、本人に年次有給休暇で処理することの了解を得なかったことがトラブルの原因です。 遅刻や欠勤時の有給休暇の使用については、事前にルールを設けておくことが無用なトラブルを避けることになります。 |
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■人事労務検定 2級レベル Q 弊社では残業手当に関しては、賞与時に通常の賞与にプラスして6カ月分の残業手当をあわせて支払いたいと思っていますが、問題ないですか? A 残業手当を賞与支給時にまとめて払うということは、労働基準法の賃金の全額払いの原則に反するので違法となります。いわゆる残業手当についても毎月の給与支給時に支払わなければならず、賞与時にいくらその内訳を明確にして支払ったとしても、違法となりますのでご質問のような方法では、支払うことができません。 労働基準法第24条は、賃金の支払いの5原則を定めていますのでぜひ参考までに確認しておいてください。 1 通貨払いの原則 2 直接払いの原則 3 全額払いの原則 4 毎月払いの原則 5 一定期日払いの原則 また先日あった相談ですが、「給与支払日を毎月第3金曜日と決めているのですがこの定めは有効ですか?」 ということに関しては、上記の一定期日払いの原則に反することになります。今月は、16日ですが、来月は20日ということでは、労働者が不利益を被りますし、安心して働くことができませんのですぐに一定期日(例えば毎月20日)支払いに変更してください。 |
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■人事労務検定 2級レベル Q 弊社では、就業規則を作成してあるのですが、従業員に見せていません。就業規則をみせていないとどんなリスクがあるのかを教えてください。 A 就業規則に関しては、労働基準法で従業員に対し就業規則を周知することが義務付けられています。 周知されていない就業規則は、無効とする裁判例も多いので、意図的に見せないというのは大問題ですし、変更したのに見せていないのも会社側が思わぬ損害を被ることもありますのでご注意ください。 例えば懲戒解雇事由については、就業規則に記載されていないと無効になるケースも多いのですが、周知されていない就業規則は、拘束力を生じないという判例があります。 最後に最高裁の有名な判例になりますが、参考までにご紹介しておきます。 <フジ興産事件> 使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことを要する。そして、就業規則が法的規範としての性質を有するものとして、拘束力を生ずるためには、その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていることを要するものというべきである。 |
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■人事労務検定 2級レベル Q 先日、女性社員から生理がひどく働けないので半休したいとの申出がありました。当社では、生理休暇を取得する場合は、年次有給休暇を使うことにしているのですが、この社員から、今回は半休なので年次有給休暇は使わないでほしいと言われました。当社としては、年次有給休暇を利用する今までのやり方を変えたくないので、この申し入れを却下しようと思っていますが、大丈夫でしょうか。 A 女性社員の申し入れを却下することはできません。 労働基準法では、「生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を申し出た場合は、その者を生理日に就業させてはならない」と定めています。したがって、会社は本人からの請求があれば休暇を与えなければならず、これを会社側が自動的に年次有給休暇に充てることは許されていません。(本人から年次有給休暇を使用したい申出があれば可能です。) また、生理休暇は、有給、無給のどちらでも結構ですが、1日単位だけでなく、半日単位、時間単位でも本人の請求に基づいて与えることになっています。今回のケースでは、生理休暇を会社が無給と定めているのであれば、その旨を伝えた上で、年次有給休暇を使用することのメリットを本人と話し合って納得していただくようにしましょう。 |
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■人事労務検定 1級レベル Q この経済不況により弊社も売上がダウンしたので、従業員の賃金を引き下げたいと思いますが、引き下げ率やどの程度までなら可能かという決まりごとはあるのでしょうか? A 賃金カットについては、何%まではオッケーであるという明確な基準はありませんし、法律でも定められていません。ただ、法的にいえば賃金は労働契約の一部ですので一方的に引き下げることはできません。 賃金が低い若い社員などは例え5%下がっただけで生活に支障がでるくらいギリギリの人もいますし、借金の返済をしているという人もいるので、会社が勝手に通知するだけで賃金の減額をすることは当然ながらできません。 いずれにしても経営陣の役員報酬の減額などが先に行われ、その他のコスト削減を行い、残業の削減、賞与カットしてもまだ厳しいというときは、賃金の減額を実行しなければいけませんが、きちんとした説明会を行い、会社の現状を理解してもらい、個別に同意をとり、引き下げに応じてもらうしかありません。 もちろん1年間の期間限定などとして、1年経ったら元に戻すことを約束し、会社を信用してもらい、個別に同意書をもらうなど会社も努力する必要があります。 これまで賃金減額を無効とする判例がたくさんありますが、減額の必要性を欠いていたり、減額率が高すぎるもの、一部の社員に偏った減額、きちんと段取りを踏んでいない場合などは無効となる可能性が高いです。 法的にみても要件がきちんとそろっているならその会社の財務状況にもよりますが、減額率10%未満であり、1年間の期間限定などにすれば争いごとになる可能性は、少しは下がるかと思います。 ※実際に行動する場合には顧問の社会保険労務士、または労務専門の弁護士に社内の財務状況やこれまでの経緯を全部話した上で、アドバイスをもらうことをお薦めいたします。弊社はこの記載に関して、一切の責任を負いませんのでご了承ください。 |